主な病気について 呼吸器系
 ■ 肺ガン
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監修:医)三喜会 有楽橋クリニック 
鐘ヶ淵クリニック 
院長 林 泰 先生 
 ■ 肺ガン
 
 厚生労働省の発表によりますと、平成13年の死因のトップは男女共にがんですが、男性のがんの内訳を見ますと、トップは肺がんです。女性の肺がんも近年急上昇してきています。肺がんの原因として指摘されているのは、長い年月吸っていた煙草の影響です。統計的に、1日に吸っている煙草の本数に喫煙年数を掛けて、その数値が400を越すと、肺がんになるリスクが急上昇するという成績があります。例えば、1日10本を40年というのは10×40=400という計算です。毎日10本吸っている人は40年喫煙を続けると、肺がんになるメカニズムのスイッチがオンになるということです。20本吸っている人は20年で、40本吸っている人は10年で肺がんのリスクが急上昇するのです。同じ医師でも、自分が煙草を吸っている医師はニコチン・タールの影響を過小評価する傾向がありますから注意が必要です。

 肺がんの進行は非常に早いのが特徴です。肺は血液が潤沢に流れていて、酸素も充分あるので、がん細胞は鞴(ふいご)の中で成長するようなものです。胸部レントゲンがある時点で異常がなくても、4ヶ月経った後には取り返しがつかないくらい大きくなっているということもあるのです。

 胸部レントゲンだけでは肺がんの診断は難しいのです。肺の末梢部にあるがんは見つかりやすいのですが、気管や気管支に近い、心臓や横隔膜と重なっている場合は見逃されてしまうことがあります。その為、咳、痰、血痰、胸痛など気になる症状が出た場合には、積極的に螺旋型に肺を輪切りにしてみることが出来る“ヘリカルCTスキャン”検査を受けることが望ましいと思います。暫く様子を見ようと言うのは、手遅れになって手術が出来なくなってしまいますから、論外です。肺がんは脳などに遠隔転移を起こしやすいので、手術前には全身に転移がないかチェックをすることが必要です。
 
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