ドクターサーチロゴ  主な病気について 中枢神経系
 ■ うつ病・うつ状態
 HOME > コラム・情報コーナー >主な病気について「うつ病・うつ状態」
監修:医)三喜会 有楽橋クリニック 
鐘ヶ淵クリニック 
院長 林 泰 先生 
 ■ うつ病・うつ状態
 
  うつ病は遺伝性があって、思春期から発症することが多いのですが、今まで何の症状もなかった人が、突然、うつ状態になることがあります。うつ状態は几帳面で神経が細やかな人がなりやすく、特に、心配事が現れたり、家族が病気になったり、対人関係のストレスに巻き込まれたりした場合に起こりやすいのです。更年期障害でもうつ状態が起こりますが、中高年になってからうつ状態になることを初老期うつ病ということもあります。

 不眠、食欲不振、倦怠感などが最初の症状で、精神的なストレスが引き金のことが多いのですが、自分ではストレスを自覚していない場合もあります。不眠、食欲不振、体重減少、肩凝り、インポテンツなどの身体症状や朝起きたときの不快な気分や気力低下など気分の日内変動も特徴です。気持ちが憂鬱、何もしたくない、自分は生きている価値がない、死んでしまいたい等という気持ちが強くなります。うつ病の場合は病気が悪くなるときと、逆に回復期に発作的に自殺を図ることが多いので家族の人は注意が必要です。電車を待つときや信号待ちをするときなど前の方で待たないようにするのも大切なことです。

 うつ病の時はは本人は早く良くなろう、何とかしなければ、と言う気持ちが強いのですが、どうにもならないというのが特徴です。通常、3ヶ月から半年くらい自宅で静養することが多いようです。この病気は休養が大切ですから、周囲の人は決して頑張るように励ましてはいけません。頑張ってね、早く良くなってね、などという励ましは逆効果です。今日出来ることは明日にしよう、というのがモットーです。いつも、家族の暖かい見守りが必要です。

 ごく初期の身体症状が目立つ段階では、精神療法の他に、軽度の抗うつ薬(ルジオミール、トフラニール、トリプタノールなど)、安定薬(リーゼ、ドグマチール、セルシンなど)を使用します。不眠を主訴とする時は、睡眠薬の他に、軽度の抗うつ薬も加えるとよく眠れるようになります。最近はセロトニン再取り込み阻害剤 SSRI(ルボックス、パキシルなど)、セロトニン、ノルアドレナリン再取り込み阻害剤 SNRI(トレドミンなど)などの新薬が開発され、治療効果も上がっています。気になる症状がある場合など、心療内科、神経科などで相談して下さい。
 
Copyright(c)2003 doctors-search.com All Rights Reserved.