主な病気について 呼吸器系
 ■ スギ花粉症
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監修:医)三喜会 有楽橋クリニック 
鐘ヶ淵クリニック 
院長 林 泰 先生 
 ■ スギ花粉症
 
 毎年、1月末から4月頃までスギ花粉が乱舞します。花粉症の人には早く通り過ぎて欲しい季節だろうと思います。敗戦後、杉や檜の植林が推奨されました。以前は木材として伐採していたのですが、最近は、原木を輸入した方がかなり安くなってしまったので、採算が合わなくなり老木になるまで放置しているようです。そのため、何時までも花粉を飛ばしているようです。

 花粉症は異常に亢進した抗原抗体反応で起こります。スギ花粉にジーゼルエンジンのトラックなどの排気ガスが付いたようなものがアレルギー反応を起こしやすいようです。スギ花粉に対する抗体が何らかの原因でできてしまった人がスギ花粉(抗原)に接すると、血液中の肥満細胞からPAF(パフ)、ロイコトリエン、ヒスタミンなどのケミカル・メディエーター(化学伝達物質)が遊離してきます。このような化学物質は有害な作用しかしないもので、眼ではアレルギー性結膜炎、鼻ではアレルギー性鼻炎、皮膚ではアトピー性皮膚炎などの症状が出るようになります。花粉症は今まで症状もなかった人でも突然発症するのが特徴です。春のシーズン中にゴルフや墓参りなどで杉林の近くへ行ったために発症してしまったという人も多いようです。一度、抗体が出来てしまうと、次ぎに抗原に晒されたときに抗原抗体反応を起こしてしまうのです。

 治療薬は内服薬と外用薬が主に用いられています。ケミカル・メディエーターが遊離しないように働く体質改善薬が主体となります。内服薬はシーズン中1日1回、または、2回服用します。点眼薬、点鼻薬などの外用薬は内服薬と同じ様な体質改善薬の他に、副腎皮質ホルモンが入っている薬も用いられています。耳鼻科医は副腎皮質ホルモンの入った吸入薬を手軽に使っているようですが、内科医の私としては、副腎皮質ホルモン剤の使用は好ましくないと考えています。外用だから吸収が少ないというのですが、やはり、習慣性や副作用を考えると、この様な強い薬は症状が激しいときだけに限定するべきだと考えています。
 
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