主な病気について 心臓・循環器系
 ■ 動悸・不整脈
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監修:医)三喜会 有楽橋クリニック 
鐘ヶ淵クリニック 
院長 林 泰 先生 
 ■ 動悸・不整脈
 
 心臓は収縮するときに身体に血液を送り出し、拡張するときに身体からの血液を迎え入れえるポンプの働きをしています。規則正しい動きをしているときは洞調律で、不規則な動きをするときは不整脈と言います。激しい運動をしたときや、過度の緊張・ストレスがあったりすると健康な人でも動悸が激しくなりますが、通常は時間が経つと治まるものです。しかし、特に原因がないのに動悸を感じるときは心臓や甲状腺機能亢進症などホルモンになんらかの異常がある場合が多いので受診が必要です。

 主な不整脈には期外収縮、心房細動などがあります。通常、時々脈が飛ぶような期外収縮は心配ないことが多いのですが、心房細動は注意が必要です。心房細動は心房が漣(さざなみ)のようにうごめくだけで、収縮・拡張を繰り返すことができない状態です。そして、洞結節からの規則的な刺激が心室へ伝わってこないため、心室が自分勝手なりズムで収縮を繰り返すので、脈拍が完全に乱れてしまいます。
 
 心房細動の原因としては心臓の病気では心臓弁膜症、心不全、心肥大症などがあります。また心臓の冠動脈が狭くなり冠硬化症が起こっているのに、暴飲暴食が続いて血液がギトギトして、心筋虚血が強くなり心房細動になってしまう場合もあります。頻脈が多いのですが、逆に、高度の徐脈によって意識障害が起こるアダムス・ストークス発作、心不全、狭心症などが起こることがあり、心機能および運動時の反応などによる症状の確認が必要です。また、高度の頻脈になり、血液を充分に送り出すことができなくなり、心不全を引き起こしやすくなります。
 
 また、心房細動では左心房の中に血栓ができやすくなり、その血栓が脳塞栓、肺塞栓などの引き金になることがあります。

 心房細動になってしまったとき、強心剤、利尿剤、冠動脈拡張剤、高脂血症治療薬、抗不整脈剤などを身体所見に応じて処方しますが、数日以内に洞調律に戻らない場合は電気的除細動をします。洞調律に戻ればよいのですが、心房細動が慢性化してしまった場合は血栓予防のため、アスピリン製剤(バイアスピリンなど)やパナルジンなどを長期的に服用します。
 
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