主な病気について 中枢神経系
 ■ 脳卒中
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監修:医)三喜会 有楽橋クリニック 
鐘ヶ淵クリニック 
院長 林 泰 先生 
 ■ 脳卒中
 
  高血圧が続くと脳卒中になりやすくなります。頭蓋骨の中は動脈から静脈へ移行する距離が極端に短いので、脳実質内の細い動脈に血圧の負荷が直接掛かってしまうのです。特に冬の寒いときは血圧が上がりやすくなり、毎年、冬になると脳卒中で倒れる人が増えてきます。寒くなると血圧が高くなるのに加えて、年末・年始は忘年会、新年会などで暴飲・暴食をする機会が増えるからと思われます。冬は寒いので鍋物やこってりした食事が多くなりがちですが、実は、油物、醤油、砂糖、卵などの摂取が増えることになり、高血圧、高脂血症、高尿酸血症、糖尿病などが悪くなってしまうのです。冬こそ、塩分、カロリー、アルコール、食事の時間などに注意し、野菜を多めに摂取するようにしてください。

 また、日常生活の注意点として体温調節が重要です。暖房が効きすぎて暑い電車などから、冷風が吹きすさんでいるプラットホームに降りたとき、血管が急に収縮して血圧が上昇してしまい、脳出血、くも膜下出血などを引き起こす危険性があります。暑い室内や電車では、コートなどを脱いで手に持ち、寒いところへ降りるときに着用するというこまめに体温調節をする習慣を身につけて下さい。

 家で脳卒中発作を起こすのは、私の経験からいうと宴会などで食べ過ぎ、飲み過ぎをした日の夜中とか、明け方が多いのです。血液がさらさらの状態では発作が起きにくいのですが、ギトギトしている時が危険なのです。

 入院する病院によって治療レベルの差があるので、予後が変わってしまうことも多いようです。救急で受診した場合、早急にCTスキャンやMRIなどの検査で脳出血、脳梗塞、くも膜下出血などの病型診断を行います。安静、呼吸管理、血圧管理、合併症対策などの全身管理や、脳浮腫、血栓、進行性脳梗塞に対する予防・治療を受けます。脳血栓の初期に血栓溶解剤の点滴をすることにより、血栓が溶けてしまい、後遺症なく治癒することもあります。くも膜下出血の場合、緊急手術が必要になります。術後の血管攣縮が問題になっていますから、注意深く手術を行うことになります。
 
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