主な病気について 心臓・循環器系
 ■ 狭心症・心筋梗塞
 HOME > コラム・情報コーナー >主な病気について「狭心症・心筋梗塞」
監修:医)三喜会 有楽橋クリニック 
鐘ヶ淵クリニック 
院長 林 泰 先生 
 ■ 狭心症・心筋梗塞
 
 狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患の予防には、日頃から禁煙し、野菜中心で、塩分、油もの、アルコール、甘いものなどを控えたヘルシーな食事や適度な運動が必要です。また、肥満、高血圧、高脂血症、糖尿病、高尿酸血症などの生活習慣病を指摘されている人は、必要に応じた薬物治療を続けることも必要です。近年は発作を起こした後の治療法としてカテーテル治療や外科治療などがかなり進歩しています。

 狭心症は心筋への酸素の供給が相対的に低下する事によって起こる症状です。自覚的には胸痛、胸部絞扼感などの症状が多いのですが、狭心症発作は何も左胸が締め付けられるだけの症状ではありません。背中が痛かったり、胃が痛くて胃潰瘍だと思ったり、歯が疼くと感じたりすることすらあるのです。狭心症が疑われるときにはニトログリセリンの舌下錠を処方して貰っておいて下さい。
 
  薬を舌の下に入れて舐めて、1 - 2分で症状が軽くなったら狭心症だと診断がつきます。ところが、非常に強い胸痛で、2 - 3分経っても治まらない場合はもう1錠舌下に入れ、それでも改善しない場合は心筋梗塞のおそれがありますから、至急救急車を呼んで下さい。ニトログリセリン自体は、多少甘みがあり、頭と心臓の血管を急速に拡張する薬です。即効性がありますが、持続性はありません。血管が拡がるので、血圧が下がるのと、ズキン、ズキンと偏頭痛が10分くらい続くだけで、特に副作用の心配はありません。狭心症を我慢することは、心筋の虚血状態を我慢することで好ましくありません。症状が起きたら積極的に使用して下さい。

 心筋梗塞は心臓の冠状動脈に血栓が出来たりして血流が停まったために心筋が壊死に陥った状態で、生命にかかわる大事件です。入院した後、必要があると診断された場合は冠状動脈造影(カテーテル検査)をします。狭窄、又は、閉塞している部分が見つかった場合はバルーン療法といって、風船で狭窄部を拡げる治療を行う場合があります。

  バルーン療法も金網を入れて、その部分が崩れないように補強するステントの手法を併用することにより、再狭窄することも減っています。また、急性心筋梗塞の時は、CCU(心筋梗塞など心臓血管障害を専門とした集中治療室)を中心とした集中治療体制で不整脈の治療をします。その他、抗血小板薬(パナルジン、バッファリン81錠、バイアスピリンなど)を使用して、血栓が出来難いようにする治療法も患者さんの予後を良くしています。
 
Copyright(c)2003 doctors-search.com All Rights Reserved.